・モラ夫と離婚を決意してみてはみたものの、何から始めたらいいかがわからない。
・モラ夫という特殊人物に特化した、離婚手続きの本がほしい。
モラハラ夫とどうにかして暮らしていく方法というよりも、モラ夫相手に離婚をどのように成立させていくか紹介されている本だと思います。
私がモラ夫との離婚を決意してはじめに手に取ったのが、こちらの本でした。
著者は3人。皆、女性。
★1人目:本田りえ。専門がトラウマ・ケア、被害者学の臨床心理士。
★2人目:露木肇子。DV被害者支援団体会員でもある、弁護士。
★3人目:熊谷早智子。元モラハラ被害者で調停離婚された方。自身でモラハラ関連の著書も出版されている。
この3人のスペシャリストの女性で著者は構成されています。
専門家による、心理と法律面からサポートしてくれる内容はもちろん、
実際のモラハラ被害者が著者にいらっしゃるため、単なる離婚手続きの紹介ではなく、モラ夫の行動パターンを理解した上での手続きや事例の紹介があるので、より「自分に近い」内容であるという点で、参考になりました。
この本を読んでわかること
・離婚手続きを進める上で、推測できるモラ夫の言動。主張するであろうこと。
・離婚手続きを進める上で、モラハラ被害者としての心構え。
・離婚条件(財産分与や養育費等)の調整方法や主張の仕方。
改めて、モラ夫の特徴を書物にて知ることができ、自分の夫と照らし合わせることができます。
例えば、
★弁護士に依頼したのに、夫が直接話し合いたいと、妻の実家に押しかけてきた場合について述べられた部分では、
周囲に協力してもらい、断固拒否してください。
★調停員より裁判はすごく大変だから、調停を成立させた方がいいと言われた場合について述べられた部分では、
夫が一銭も払わないことを離婚条件とした場合はどうでしょう。
養育費については、夫がいくら支払わないと言っても、離婚後、養育費請求審判を起こせば裁判所は養育費を決めてくれます。
慰謝料や財産分与請求権については、妻は放棄することができます。その額が比較的低額であれば、放棄して早期に離婚するのは一つの解決策と思われます。
といった具合に、推定されるモラ夫の主張をもとに、
拒絶してよいものか、
条件をのんでもよいものか、
条件をのんだ場合のメリット、デメリットを提示し、具体的な取るべき行動を提案してくれています。
読んでいて、押し付けられた気がしない。
全体として、あらゆる選択肢、その選択肢にまつわるメリットデメリットが展開されています。
私の偏見かもしれませんが、このような法律がまつわる書物の場合、マニュアル化されたものの紹介だったり、用語の説明だったり、最後には「あくまでもご自身でご判断ください」と突き放されてしまったりする印象があります。
しかし、本書は「脱出ノウハウ」だと記されているように、モラハラ被害者一人ひとりが自分なりの解決ができるよう、どの選択肢も否定しません。
ただそれでいて、モラハラからの脱出という点で、しなくてもよいこと、危険なことはきちんと指摘してくれます。
読んでいて、適切な距離を保ちながら寄り添ってくれる感じがありました。
本を読んで得られたのは、気づきと安心感。
モラハラ被害者というのは、孤独です。
モラハラを受ける中、自分だけが間違っていると思い込まされていくからです。
そんな中、当てはまる事例や特徴に共感でき、
やはり、うちの夫はモラハラ夫だったんだ。
やはり、自分の感じた違和感は本物だったんだ。
自分の感覚は正しかったと、再認識でき、
ひとまず安心することができました。
モラ夫だと明確にわかれば、通常の話し合いができるような相手と同じ離婚手続きでは通用しません。
モラハラや調停についてネットで自分なりに調べてはいましたが、ひとつ専門家によって書かれた書物を手元に置いておくと、調停のバイブルとして2年間何度も見返すことができました。
本書「はじめに」の導入部分では、このように書きつづられています。
本書は、モラハラ被害に苦しむ妻たちに、自分の置かれた状況に一刻も早く気づいてもらい、人としての尊厳を取り戻し、自分らしく生きるために、また子どもたちのためにも、モラハラ被害から脱出していただくためのガイドブックです。
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