・周りの人が気づかない小さな変化を感じとってしまう人
・つい相手を優先してしまい、自分を後回しにしてしまう人。
5人に1人がHSPという敏感な感覚を生まれつき、敏感な感覚を持っているそうです。
モラハラ被害者は、モラハラ夫に対してはもちろん、その他の人に対しても、相手が何を求めているのか言われなくても気づき、相手が求めるよう求められるがまま動ける人が多いと思います。
そういった感覚に悩み、この「繊細さん」の本に辿り着くモラハラ被害者の方も多いのではないでしょうか?
私も共感しながら読んだのですが、モラハラ被害者にはぜひ読んでほしいと思う理由と、
繊細さんならでは、というかモラハラ被害者ならでは読み方にはコツがあると思ったので、ご紹介します。
「繊細さん」の本とは?
アメリカの心理学者エレイン・アーロン博士が提唱したHSPという概念をベースに、著者が親しみを込めて、それらの人を「繊細さん」と呼んでいるそうです。
・「繊細さん」とはどんな感覚を持つ人が当てはまるのか。
・なぜ人と会うと疲れるのか。
・あらゆる刺激から身を守る具体的な方法とは。
・繊細さんがのびのびと働くにはどうしたらよいか。
繊細さんが生まれ持った力を活かし、繊細さんのまま元気に幸せに生きるための考え方を紹介してくれています。
著者自身もHSPのカウンセラー。
「繊細の森」というサイトを運営していらっしゃる著者の武田友紀さん。
自身も、HSPということを公表され、600名以上の繊細さんをカウンセリングしてきたそうです。いわば、繊細さんのスペシャリストです。
武田さんも、会社員時代に苦労されたようで、自分がどのようにしたら元気に生活できるか経験されたからこそ、説得力のある本となっています。
「繊細さん」の感覚と、モラハラ被害者の感覚は類似している。
モラハラ被害者が必ずしも皆「繊細さん」とは限らないとは思います。
しかし、自分は繊細さんだという自覚はなくても、「他人(=モラ夫)の機嫌に左右されてしまう」「相手(=モラ夫)の求める正しい答えを返そうとする」等、モラハラ生活のなかには、繊細さんの特徴に共感できることが多く書かれているはずです。
書かれている内容は、「繊細さん」が元気で生きるための『技術』です。
それと同時に、モラハラの考えに染まってしまったあなたのモラハラ脳からの脱出のための『技術』でもあると私は思うのです。
これが、私がモラハラ被害者こそぜひ読んでほしいと考える理由です。
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特徴や心理が具体的。
各章に「会社員のUさん」「20代のA子さん」などの例を出し、どんな人か、どんなことがあったのか、どんな風に感じたのかエピソードを交えてくれています。
そのなかで、特徴や心理が具体的に表現されているため、自分の立場に置き換えやすいのです。
例えば、「繊細さんの中には『キライ』を封じているという人がいる」「相手を嫌えないがゆえに、人間関係に苦労する繊細さんがいる」という話です。
「キライ」を封じると、「なんとなくキライだから関わらない」が許されず、自分で相手との距離感を調整することができません。
この「許されず」という表現の仕方が、まさに繊細さんならではだと思いました。
なんとなく自分より他人を優先して「ああすればこうなる」「こうしてはダメ」等、自分で気づき、厳しいルールを課してしまうのが繊細さんだと思います。
文章の随所に、繊細さんだからこそ、共感できる表現があるからこそ、より「わかりやすい」内容になっているのです。
自分が今までなぜこんなことをしてしまっていたのか、
だからあんなトラブルに巻き込まれていたのか、
言葉として順を追って説明されているので、自分の深層心理に気づくきっかけにもなります。
距離を取りながら読むこと
共感できる内容であることはもちろんなのですが、ここでモラハラ被害者が読む上で注意ポイントがあります。
モラハラ被害者は、モラ夫だけが正しく、自分だけが世界でたった一人間違えていると思い込まされていくため、孤独です。
それゆえ、自分のことをわかってくれる相手を渇望しています。
そのため、少しでも、自分をわかろうとしてくれている人がいると、依存しがちです。
この本は、非常に共感すべきポイントがあり、これからどうすべきか具体的なアイデアを出してくれています。
その具体的なアイデアすべてがすべて自分に当てはまることとは限らないと頭に入れて読むことをおすすめします。
というのも、モラハラ被害者というのは様々なルールに半自動的に従おうとしてしまいます。それは、この本に対しても同じです。
極端なことを言えば、五感のうち、一番鋭いと感じる感覚が本当は嗅覚なのに、それがわからなくなって、全部の対処法をやろうとしてしまうとか。
著者の言うように、『自分の中に、自分の居場所を作ること。自分の味方でいること。』が何よりも重要です。
共感してくれる本があることはありがたいですが、元気に生きるための『技術』を紹介してくれるのであって、あくまでも主体は自分です。
まとめ
朝の情報番組から一時話題となった『「繊細さん」の本』。
モラハラ生活に悩むモラハラ被害者が手に取ることもあると思い、その読み方のポイントをご紹介しました。
モラハラ被害者がモラハラから脱出するためには、自分を主体とし、自分で自分の行動を選び取らなければなりません。
そのためのヒントが、この本にあると思いますので、ぜひご一読ください。
単行本よりすこーし安く購入でき、場所を気にせずどこでも読めるのでとても便利でした。
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